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止まらぬ不動産向け融資!スルガ銀行の不正融資で自粛のはずが4年連続増加

日銀、「バブル期並みの加熱さを見せている」

不動産向け融資金融機関による不動産向け融資残高は、平成30年のスルガ銀行によるシェアハウスの不正融資もあり、金融機関では新規融資を抑える動きが出ていましたが、思ったほどのブレーキがかかっていないことが判明しました。
日銀によると、金融活動の加熱度合いを測る指標である不動産向け融資が、バブル期以来となる加熱さを見せているとしています。
日銀の「貸出先別融資残高」統計によると、平成30年末時点の不動産向け融資残高は前年同期から5.3%増加し、78兆9370億円と平成27年末より4年連続で過去最高を更新しています。

不動産向け融資、バブル期は短期融資、現在は長期融資に

不動産向け融資が減らないのは、アパートローンなど融資期間が30〜35年と長期で融資されることであり、バブル期には「土地神話」と呼ばれ、土地の値上がりを狙い短期販売が横行し、「土地転がし」とも呼ばれ短期融資がほとんどでした。
ただ、ここ数年、不動産向け融資が増加傾向にあるのは、アパートローンが長期の融資で、家賃収入により返済するため現在でも、金融機関などは慎重になりながらも融資残高は減りにくい構造となっています。

GDP比でみた不動産向け融資の大きさが目立つように

不動産向け融資日銀によると、平成30年秋までは不動産業だけでなく、国内の経済全体が堅調であったものの、その後、経済成長が徐々に鈍化し、GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)比でみた不動産向け融資の大きさが相対的に目立つようになってきたといいます。
平成30年末時点の不動産向け融資のGDP比は、14.18%と長期トレンンドである11.66〜14.04%の範囲を超えました。
アパートローンなどへの長期不動産向け融資は、日本の人口減少や高齢化などの変化に伴って、今後、徐々にリスクが膨らむ可能性も有ります。

金融機関、不動産向け融資残高は増えるもののリスクも

不動産向け融資を増やした金融機関などは、目先の貸出残高の伸びは増える一方、いつトラブルが起きるか爆弾を抱え込んでるように見えます。
アパートなどの物件価格は、この5年で3割以上値上がりするものの、家賃相場はほぼ横ばい状態であり、物件価格相応の家賃で貸し出せば問題はないものの、入居者が集まらなければ空室が増え、家賃を値下げするしかなくなります。
ここ数年、老後の生活費にアパートを建設する「サラリーマンオーナー」が増えていますが、今年、賃貸アパート大手「レオパレス21」の施工不良、住居者待避など、新たな問題が起こる可能性も出てきました。


[2019.2.26更新]

     

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