金融事業を再編!イオン銀行に地銀が熱視線
銀行持ち株会社から事業会社へ
イオングループの
金融事業を統括している
イオンファイナンシャルサービスは、平成31年1月21日、同年4月に銀行持株会社から事業会社へ移行する事を発表しました。
これは企業内での組織内再編でもあり、シンプルな持株体制から複雑な階層を持つ形態に移行することになります。
この再編の最大のポイントになるのは、事業会社に移行した
イオンファイナンシャルサービス傘下に、新たに銀行持株会社を設立することにあります。
金融庁も構造的に問題なし
再編後には、
イオンファイナンシャルサービスにイオンクレジットサービスやイオン銀行、住宅ローンを傘下におき、
イオンファイナンシャルサービスを核に、事業会社グループと銀行持株グループの2つに組織が分けられられることになります。
金融庁によると、イオン全体を見て事業会社傘下の銀行持株会社との関係性は、これまで同様に構造的には同様と見ています。
ただ、
イオンファイナンシャルサービスでは、新たに銀行に持株会社を間接的に取り入れた理由もありそうです。
銀行法の規制が外れ緩和されるメリット
イオンファイナンシャルサービスが銀行持株会社から事業会社へ移行することで銀行法の規制が外れ、銀行にも受けられるIT(Information Technology:情報技術)企業への出資制限が緩和されます。
さらに、銀行持株会社からイオンクレジットを分別することにより、銀行の自己資本比率の国際基準、8%を維持することが可能となります。
現在、
イオンファイナンシャルサービスの自己資本率は平成29年度決算では8.33%とすれすれの水準であり、2022年から導入される国際金融規制により、イオンクレジットの資産が自己資本比率の部門を増加し、悪化させる可能性も出てきています。
本業厳しい地銀がイオン注視
自己資本率を維持しながら、事業会社となる
イオンファイナンシャルサービスはさらに新規の事業が行えやすくなり、これが本来狙っていた再編の手法であり、日銀のマイナス金利政策で本業が厳しい、全国の地銀も新規事業に注視しています。
今後、さまざまな産業から事業会社と手を組むなど、生き残りのため地銀にとっても中間持株株会社の設立も視野に入るかもしれません。
ただ、他業種との協業は地銀界でも意思決定に時間もかかり困難な課題は残っており、今後の地銀の動向が注視されます。
[2019.2.19更新]