全銀協「貸付自粛制度」を導入!過剰債務の銀行ローン貸付防止へ
ギャンブル依存症、浪費癖で銀行カードローン規制へ
全国銀行協会は、ギャンブル依存症や浪費癖がある人が銀行カードローンで過剰に債務を防ぐために「
貸付自粛制度」を導入することをことを決定し、平成31年3月29日より実施することを公表しました。
これは、これ以上借り入れを増やしたくないという意思表示を本人や未成年の場合は保護者など法定代理人の申告によって登録し、会員各行と情報を共有し、融資をしないように促す仕組みとなります。
過去5年の借り入れ状況を共有
「
貸付自粛制度」は、借り入れが常習化した人に生活状況を変えてもらうために、これまでの負債や借り入れ履歴などを保有している全国銀行協会の信用情報センターに対象者の氏名や住所、勤務先など過去5年間登録し、全国の銀行が融資する際に照会するシステムです。
全国銀行協会では、まとまった資金が必要になった場合、住宅ローンや教育ローンは使途が明確な融資は対象外とする方針です。
「
貸付自粛制度」は、消費者金融など日本貸金協会が平成19年12月に同様の制度を実施しており、両協会が情報を共有し。貸し出しを自粛する見通しです。
利ざや得られぬ銀行
ただ、融資については独占禁止法に触れる可能性があるために、各行の与信判断を一律で拘束することはできませんが、判断材料にしてもらうことで実質的に過剰融資をストップする効果もあります。
日銀によるマイナス金利政策によって各行は利ざやで収益が得られない状況に、カードローンは十数%と高い貸出金利が見込め貴重な収入源となっているのも現実です。
日本銀行によると、平成29年度末で銀行カードローン残高は、5兆8,186億円と、過剰な貸し出しが問題視されていました。
貸金業、金融庁要請に反応
金融庁が平成30年8月に発表したメガバンクや地銀など108行に対する調査によると、融資上限枠を設定した銀行は、前回調査の5割から9割まで増加しました。
一方、日本貸金業協会の「
貸付自粛制度」は、平成29年の登録件数は前年から11%増加し2,496件と6年連続で増加しており、平成30年上半期では1,265件と前年を上回っています。
このうち、約4割はギャンブルが原因と分析しており、「
貸付自粛制度」は依存症対策として一定の効果が得られると期待されます。
[2019.2.15更新]