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資金調達の手法、株式から負債へシフト!
低金利の長期化で社債発行、銀行融資が増加

新株発行で資金調達額、半減に

資金調達ここ数年、企業の資金調達法が新規株を発行し資金調達する「株式」から、長引く低金利により金融機関からの融資や社債を発行する「負債」にシフトしてきています。
新株発行に伴う資金調達・エクイティファイナンスの実施額は、直近のピークの平成26年には2兆円を超えていましたが、平成30年は前年からも15%減少し1兆円と大きく半減しました。
日銀のマイナス金利政策が導入された平成28年以降、資金調達額の減少が鮮明になっています。

企業資金調達ニーズ、調達先は低金利先へ

一方、金融機関からの融資や社債発行など「負債」を増やす資金調達法・デットファイナンスは、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)や設備投資などが積極的となり、企業の資金ニーズは緩やかに増加傾向にあります。
社債発行額は、昭和53年以降、初めて3年連続で10兆円を超え、低金利が持続される中、「株式」より資金調達コストがリーズナブルな「負債」にニーズが集まっています。
デットファイナンスによる資金調達はバランシシートの「負債の部」に入り、平成31年も、この傾向は継続する予測です。

日銀、マイナス金利政策は維持

資金調達企業の資金調達が「負債」へシフトしているのは、低金利が長期化しているためで、日銀はこの金融緩和政策を持続する考えを示しています。
長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは平成30年12月25日には0%と低下し、社債利回りへの上乗せ幅も低水準を維持しています。
一方、新株発行で株主の期待リターンを示す株主資本コストは、東証1部企業で6%程度と「負債」のコストを大きく上回っています。
経済評論家や有識者などの意見も金利は、今後も低水準で推移すると資金調達は「負債」優位となっています。

社債発行額、リーマンショック前の水準に増加

社債の発行も活発化しており、満期まで10年を超える超長期債の発行が相次ぎ、「JT」や「「東レ」などが発行し、格付けが最も低い「トリプルB格」の社債発行額も1兆200億円と、リーマンショック前の平成19年以来の発行額に増えています。
日銀によると、金融機関から企業への融資額は増加傾向にあり、貸出残高は、平成29年度末時点で約490兆円強と26年度末に比べ40兆円弱増加したと発表しています。
日銀は平成29年7月に長期金利についてプラスマイナス0.2%程度までの拡大を容認しましたが、実態は0%に低下、地方活性化を目指す地銀にとってマイナス金利は、あまりにも大きな副作用になりそうです。


[2019.1.4更新]

     

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