トップ > 業界動向 > 携帯電話王者ノキア社の業績不振:リースバックで資金調達

携帯電話王者ノキア社の業績不振:
リースバックで資金調達、新製品投入で状況打開!海外リースバック動向

携帯電話で君臨!わずか5年でスマートフォン市場で置き去りに
リースバック:CRIコンサルタンツ業績不振に陥るフィンランドの携帯電話メーカー・ノキア社は、資金調達手段を模索しており、ヘルシンキ・エスポーにある本社を売却し、リースバックを検討。本社からは退却しない意向を米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えました。
ノキア社の携帯電話は、通話とメール機能に絞りシンプルで誰もが使いやすい機種として、平成19年には世界シェアの約6割を占め他社を圧巻。現在も新興国などを中心に低価格を売りにそれなりのシェアは保つものの、スマートフォン市場では、米アップル社の「iPhone」や米グーグル社のOS(基本ソフト)「Android」を搭載した国内外メーカーに遅れをとり、携帯電話の王者は5年で負け組に陥りました。


リストラ3万人に新たに1万人追加、工場・研究拠点は閉鎖
ノキア社は今年6月、平成25年末までに世界規模で約1万人を削減すると発表。ノキア社の今年3月時点の総従業員数は約12万2,000人。同社は、平成23年以降、大規模な合理化を進め既に約3万1,000人を削減。リストラをさらに追加することで経営立て直しを図ります。リストラ策は、フィンランドの工場やドイツ、カナダの研究開発拠点も閉鎖するとしています。
モバイル業界の技術の進歩は日進月歩。勝ち残るために次々に新しい技術やシステム、ビジネスモデル、端末を打ち出し移り変わります。自社のモデルに固執し続ければ過去の王者も、新たな発想のモバイルイノベーションで消費者から見放されてしまう結果ともなり売ります。


新製品投入へ資金調達!特許売却、不動産評価も
スマートフォン市場では苦戦が続くノキア社は9月5日、米ニューヨークで米マイクロソフト社の新しいモバイル用OS「Windows Phone 8」を搭載したスマートフォンを発売すると発表。同社は、従来のOSや米インテル社と共同開発してきたスマートフォンを取りやめ、米マイクロソフト社のOSを選び、社運を懸け状況を打開する考えです。
ノキア社ではコスト削減のほか、米マイクロソフト社のOSへの切り替え資金の捻出など資金調達に、不動産を含む一部事業の評価も行っており、特許などの一部は既に売却しています。


資金調達後は再建へ向け新製品投入で再建!
ノキア社では、この転換期を乗り越えるためにあらゆる対策を講じると強調。今年秋以降に発売が予定されている「Windows Phone 8」搭載のスマートフォンについては、「重要な促進剤」になるとしています。
かつては業界に君臨したものの、自社モデルに固執しすぎれば、技術進歩の早い業界に取り残されてしまうケースも少なくありません。業績が低迷し大規模なリストラ、再建に向けた資金調達で新モデルを投入するノキア社は王者奪回なるか。低迷する日本のエレクトロニクス産業にとっても、このような打開策はもう他人事ではありません。

[2012.10.5更新]

     

▲ページトップ

業界動向
相談・支援の流れ

お問い合わせ

  • ●info@cri2.jp
  • ●Tel.03(5805)1138
  • ●Fax.03(5805)1154
  •          

RSSフィード最新の情報をお届け!

コンサルティングサービス
不動産任意売却・リースバック 資金調達
不動産リースバック事例
リースバック事例 リースバック事例
不動産・資金調達関連省庁
住宅金融支援機構 金融庁
関連団体・協会
おかねの窓口