中小企業生き残りにM&Aの波!経営者の高齢化、事業承継が鍵
中小薬局、M&Aで5倍に急増
調剤薬局大手企業による中小薬局の
M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)によって平成30年度、店舗増は前年度比で約5倍に達する見通しとなっています。
大手調剤企業のアインホールディングスやクオールホールディングス、総合メディカルホールディングス3社の平成30年度の新規出店数は245店と前年度から2,8倍伸びており、このうち約3分の2が
M&Aにより出店しています。
平成30年度は、4月に調剤報酬が引き下げられ減益が見込まれており、店舗網を広げ調剤原料を大量仕入れでコストダウンし、効率化が求められますが、新規出店は市場の競争をより激しくさせる企業にとってはリスクもあります。
ドラッグストアでも調剤、いづれはネットでも・・
ここ数年でドラッグストアでも中小薬局の
M&Aに動いており、調剤機能を強化する動向が伺え、好立地な中小薬局では、収益性も高く
M&Aによる買収額も高騰しています。
インターネット通販でも、一部薬品が販売されるようになり中小薬局でもその備えに新たな課題も残っています。
中小薬局の
M&Aによる業界再編は、在宅訪問や健康指導など収益源の成長にも繋げられるかが問われそうです。
経営者の高齢化で後継者難、大廃業時代に?
日本は超高齢者社会を迎え人口は減少、少子化で中小薬局だけでなく中小企業では後継者難と大きな課題を抱えており、放置すれば大廃業時代が数年で起きるとも言われています。
コンビニエンスストアや地域の金融機関、建設業など身近なところでも生産性の向上や業務の効率化、コストダウンなどで
M&Aや、業務提携し生き残りをかけていますが、
M&Aなどの手数料が高額との理由で「差別化された技術・サービス」のある中小企業が廃業に追い込まれる事例もあります。
後継者難の相談者数、年間1万人
中小企業庁の事業承継に悩む中小企業の譲渡を仲介する全国の「事業引継ぎセンター」によると、平成30年上半期(1月〜6月)だけで相談者数は5,648件に上り、年間1万件を超す勢いです。
同庁によると、中小企業経営者の高齢化は深刻で2025年までに70歳を超える経営者は245万人と日本の中小企業、小規模事業者全体の過半を超える数です。
さらに中小企業基盤整備機構では、平成23年度より中小企業の
M&A事業を開始しており、相談件数は累計3万1,000件を超えたものの、1,800件の
M&Aの実現に留まるなど、さらなる強化が必須であることが理解できます。
[2018.11.9更新]