資金調達大変革期!金融機関、消費者金融からオンラインレンディングへ
貸金業法改正が大きな資金調達変革のきっかけに
中小企業など、これまで設備投資や運転資金のため資金調達する場合には、銀行など金融機関や、つなぎ資金として消費者金融など貸金業界から借り入れ事業を継続し、拡大させてきました。
大きな変化が表れたのは平成19年の貸金業法の改正で、当時の貸金業者登録数は1万1,832社あり、貸出金も膨れ上がったものの、過剰な貸出も多く見られ多重債務者が約191万人に上りました。
この状況に、貸金業法を改正し、貸出額の上限は総量規制で年収の3分の1までとなり、その証明書も求められ厳正化。
さらに、グレーゾーンと呼ばれた金利は最大29.2%を撤廃し法定利息は20.0%(10万円借入時)に制限されました。
多重債務者、貸金業社は激減!銀行カードローンが急拡大
この貸金業法改正により、多重債務者は平成29年には9万人にまで激減し、成果を上げられた一方、利用者激減となった貸金業社が増加し同年には1,865社まで激減しました。
このニーズを取り込んだのは銀行カードローンであり、貸金業法の適用外でもあり平成28年3月末には貸出額は5兆7,460億円に上りました。
ただ、この流れも過剰な貸出や過大広告などで金融庁からの指導で、銀行も自主規制し貸出額も年収の3分の1から2分の1に総量規制しましたが、平成30年10月現在、全ての銀行には当てはまりません。
中小企業向け貸金業社も「過剰貸出」「悪質回収」で行政処分、激減
中小企業向け貸出についても平成19年までは商工ローンなど貸金業社が存在しましたが、過剰な貸出や悪質な回収に行政処分も下り同年の貸出額17兆8,000億円から平成29年には7兆1,000億円まで減少しました。
このような背景の中、新たな金融サービスとしてインターネットを通じた
オンラインレンディングに注目が集まり、貸出額を拡大させています。
これは、中小企業にとって会計ソフトや基幹システムなどもオンライン上のクラウドを利用することでこれまで数千万円かけていたシステムが数万で済むように変革しきています。
既存の金融機関も注目のオンラインレンディング
この
オンラインレンディングには、融資事業の収益悪化に起因し、既存の金融機関も注目しています。
長引く日銀のゼロ金利政策で「利ざや」は期待できず、中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)も法案終了ながら対応しているのが現状です。
オンラインレンディングの可能性として、これまでの融資より高い金利が設定でき、インターネット上で人手もかからずコスト削減も見込めます。
これまでの金融機関のように対面もなくインターネット上で融資可能であり、借り手ニーズにも十分合ったサービスと言えます。
これからの
オンラインレンディングの発展に期待がかかります。
▼主な
オンラインレンディング・サービス
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「J.Score」
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「楽天スーパービジネスローン」
・
「エメラダ・バンク」
・
「Lendy(レンディ)」
[2018.10.30更新]