相次ぐフィンテック新興企業の大型資金調達!調達額は7割増の400億円超え
9ケ月で前年通年の資金調達額を7割増
調査会社のジャパンベンチャーリサーチは、
FinTech(
フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)企業の
資金調達額が平成30年1月〜9月に10億円以上の大型調達だけでも436億円に上ったことを発表。
FinTech企業の大型
資金調達が相次いで行われ、平成29年通年の
資金調達総額より約7割も増加しています。
新しい金融事業の創出を目指している大企業が出資の担い手となっていますが、リスクマネーの過度の集中を警戒する見方も広がっています。
平成30年は、10月以降も大型
資金調達が続く見通しで、平成29年の約2倍に増える見込みです。
10億円以上の資金調達企業、前年からすでに2社増加
特に事業が拡大傾向にある企業が
資金調達額を伸ばしており、平成30年1月〜9月に10億円以上を
資金調達した企業は10社で、前年から2社増加。
平成29年は、40億円を
資金調達した企業は、スマートフォン専業の証券会社だけでしたが、30年は50億円の
資金調達を達成した企業はすでに6社に上っています。
平成30年9月までに、最も大きい
資金調達を行なったのは約70億円のネット証券企業で、無料のネット通話・テキストチャトで普及した「LINE」が出資。
「LINE」の対話アプリ上で金融商品の販売を行う計画です。
顧客拡大、信頼性向上で大企業との協業が事業拡大へ
FinTech企業が関連する事業企業や金融機関などから出資を受けるのは、顧客拡大や信頼性を向上するためと考えられています。
スピードを上げて事業を拡大していくには、莫大な顧客網を持つ大企業との協業が効果的と予測できます。
ただ、特定企業に
資金調達が集約されると、企業の評価価値も上がりIPO(Initial Public Offering:新規上場株式)やM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)などハードルも上がり、追加の
資金調達に支障が出るリスクも残っています。
M&A、投資額は全世界で3.5兆円に拡大
監査や税務、アドバイザリーのプロフェッショナル集団である「KPMG」によると、金融機関も無視できない存在となった
FinTech関連の平成29年のM&Aや投資額は全世界で310億ドル(約3兆5,000億円)に達しています。
海外では企業価値が10億ドル以上の
FinTech関連の未上場企業「ユニコーン」が相次ぎ創立され、日本での展開を示唆する企業も出てきています。
日本には、まだ「ユニコーン」は誕生していないものの、
FinTechを活用したキャッシュレスの動きも出てきただけに、チャンスは大きいと言えそうです。
[2018.10.26更新]