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金融円滑化法後の地域金融機関の対策に「再生ファンドの創設」22%

大企業製造業9ケ月ぶりに景況悪化、中小もマイナス推移
リースバック:CRIコンサルタンツ日銀が10月1日に発表した9月の「企業短期経済観測調査(短観)」によると、企業の景況感を示す判断指数DIが大企業製造業でマイナス3となり9ケ月ぶりに悪化に転じました。中小製造業でも2ポイント悪化しマイナス14ポイント。中小非製造業もマイナス9ポイントと厳しい経営環境が露呈されました。
DIは景況感が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業の差引で示されます。今回の調査は、政府が尖閣諸島を国有化した9月11日までに約7割弱の企業から回答を得ていたため、日中経済の悪化の影響は充分反映されていません。


地方銀行3行で再生ファンド創設、貸出条件を緩和
企業を下支えしてきた経済政策は一巡し、欧州債務危機や新興国経済の鈍化など厳しい経営環境は続きます。平成25年3月には企業の資金繰りを支えてきた中小企業金融円滑化法が打ち切られ、地域金融機関では対策としてファンドが相次ぎ創設されています。
常陽、伊予、みなとの地方銀行3行は、9月に企業再生ファンドを創設。同法に基づき再建中の取引先に対して金利減免など貸出条件を緩和し支援する一方、不良債権比率を抑制するなど準備が進んでいます。いづれのファンドも買取額の上限は設けていませんが20〜30億円を想定しています。


地域金融機関:ファンドに債権を譲渡後、再生後に新規融資
日本経済新聞が半年ごとに実施している「地域経済500調査」では、8〜9月にかけて104の地域金融機関に中小企業金融円滑化法が終了することへの対策を調査。22%の金融機関が「再生ファンドの設立」を挙げました。
地域金融機関では、経営不振企業を再生するノウハウのあるファンドや投資会社と提携。ファンドに債権を譲渡し不良債権をいったん本体から切り離し、再建を果たしてから事業拡大に必要な資金を融資するとしています。再生ファンドは、公的機関からの出資を得た官民共同ファンドもみられ、同法終了に向けファンド創設は増加の予測です。


円滑化法終了:金融機関は「貸倒引当金の積み増し」38%
同調査によると、中小企業金融円滑化法後の対応として企業支援をする一方、「貸倒引当金を積み増す」との回答も38%に及びます。同法終了で資金繰りに行き詰まる企業は増えると考える地域金融機関は少なくありません。
金融庁では、再生ファンドを後押しするため、内閣府や中小企業庁など関係機関と連携を強化。官民共同のファンドを促すなど動きも出てきましたが、成長する市場への移行や、売上向上など抜本的な改善が見込める政策も必要となります。

[2012.10.2更新]

     

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