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地銀再生に金融庁が融資の手助け!?越境融資が進む地銀の再編の行方は

地方経済は人口減少・高齢化で経済は縮小が現実

地域の企業へ設備投資や運転資金を供給する地銀は、地元以外の都道府県などの企業へ資金を融資する「越境融資」が拡大傾向にあります。
背景には、地方の人口減少、高齢化によって地域経済が縮小する中、生き残りをかけ都市部へ進出する地銀が増え、融資額の3分の1は都市部に供給されています。
資金調達
金融庁が評価していたスルガ銀行は、シェアハウス投資や創業家系の関連企業への不適切融資などで同庁では、平成30年9月4日、全国の地銀を対象に不動産向けの地銀の審査体制など調査する検討を始めています。

金融庁、地銀再編を促すも、融資先企業を調査、分析し地銀へ反映

金融庁では、日銀のマイナス金利政策で利ざやが得られず融資額が伸びていないことに地銀再編をこれまで促してきましたが、地銀再生を探るため、融資先企業がどのような資金ニーズがあるのかを調査し、地銀経営に反映させる異例の取り組みを始めるといいます。
それこそが、地銀業務の役割でありながら、金融庁が地銀の代わりに企業を目利きし成長性を調査、分析し融資の手助けとも見られます。
平成30年7月には、金融庁に新たに遠藤長官が就任し、苦境に陥る地銀の構造要因を分析、解明し、当局の権限の及ばない取引先まで調査対象を広げる特別チームを新設するとしています。

全国の地銀、半数以上が赤字

資金調達地銀の主な業務は、地域で集めた預金を元に地域の企業や個人に資金を供給することで金利の差額が収益となります。
また、投資信託など金融商品の販売や手数料も大きな収入となりますが、金融庁によると平成29年3月末現在、本業で赤字となる地銀は全国で半数を超えているといいます。
日銀のマイナス金利政策により、預金に支払う金利が貸出金利から得られる金利を上回る逆転現象も起きており、このような環境の中、地銀の再編で規模拡大、コスト削減などで解決となるか懸念されます。

地銀再編、公取委は競争力損失で2年半再編延期も

公正取引委員会では、地域において地銀統合により競争が損なわれることを懸念しており、ふくおかフィナンシャルグループと長崎市の十八銀行の経営統合に、中小企業向け融資が約7割に達するとして2年半も延期された経緯があります。
一方、地銀から見れば、政府系金融機関の日本政策金融公庫や、不正のあった商工中金などが地銀の収益機会を奪い、経営統合へ向け動かしていると見ています。
投資よりも預金、マイナス金利政策、政府系金融機関の構造的な問題が温存される限り、地銀再生は成し遂げられないと考えられます。


[2018.9.14更新]

     

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