売掛債権買取で現金化「早期資金化サービス」開始
損保ジャパン日本興亜は、総合的な決済関連サービスを提供するGMOペイメントゲートウェイと連携し、平成30年9月より、取引信用保険を活用して中小企業の資金繰りを支援する新たな資金調達「早期資金化サービス」の供給を開始しました。
取引信用保険は、取引先の倒産などで、保険契約者が取引先に対し、売掛債権などの回収が不能となった場合に契約者が被る損害を保障する保険です。
資金調達に資金繰り表や事業計画書も不要
中小企業への「早期資金化サービス」は、損保ジャパン日本興亜の取引信用保険に加入している企業を対象に、GMOペイメントゲートウェイが企業の売掛債権を買い取り、早期に資金化します。
企業は早期資金化で、資金繰りを改善することができ、金融機関の融資とは異なり資金繰り表や事業計画書なども不要なため無駄な時間、コストもかからず手続きが可能です。
これまで、GMOペイメントゲートウェイは、同様に企業への資金調達のサービスとして「GMO BtoB早払い」を行なっていましたが、取引信用保険に加入することで手数料は2.0%から0.5%に下がり、買い取り社数も3社必要でしたが1社からでも可能となるメリットがあります。
資金調達「銀行ダメなら消費者金融、それもダメならカードローン」
中小企業にとって、急な資金調達が必要となることが多く、これまでは銀行など金融機関からの融資が思わしくなければ、つなぎ融資として消費者金融などから資金調達していましたが、改正貸金業法の完全施行で総量規制により思う通りの資金が調達できなくなりました。
ここ数年では、消費者金融の代わりとなる銀行カードローンが無担保・無保証と、改正貸金業法の総量規制も適用されなく手軽に数百万円を借り入れることも可能になりましたが、低金利の時代に借り入れ金利は高く、返済が滞ることも目立ち、金融庁でも金融機関に検査が入っている状況です。
損保ジャパン日本興亜は今後、保険を活用した「早期資金化サービス」の資金調達で中小企業の資金繰りを支援、安定化、サポートしていくとしています。
売掛債権の資金調達、米国企業15%に対し日本企業は数%
損保ジャパン日本興亜では、取引先の信用審査も強化しており、AI(Artificial Intelligence:人工知能)によって取引先の財務状況を分析し、これまで丸1日かかっていた審査時間を5分に短縮するシステムを平成31年度中にも導入予定です。
日本の企業の売掛債権は約200兆円規模に上ると言われており、売掛債権を活用した資金調達は、米国の約15%に比べ日本ではわずか数%に留まっています。
売掛債権の流動化が進むことで中小企業の資金調達の手段が多様化する効果が期待されます。