小売業ではセブンイレブン、イオンに次ぎ3社目
金融庁は平成30年8月10日、コンビニエンスストアのローソンが申請中であったローソン銀行について、銀行業の免許を交付しました。
銀行への新規参入は、平成23年の大和証券グループが大和ネクスト銀行を開業して以来7年ぶりとなります。
小売業らの銀行参入は、セブンイレブン、イオンに続き、小売業出身として、いかに付加価値を高め、差別化し顧客を増やすかが鍵となりそうです。
ローソン銀行の具体的なサービスは、平成30年9月に公表され、翌月10月からサービス開始を予定しています。
セブンイレブン店舗数、ローソンの2倍に勝算は?
小売業の銀行への参入は、同じコンビニエンスストアのセブンイレブンでは、全国の店舗を生かしてコンビニATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)を消費者に根付かせました。
銀行開業から17年のセブン銀行は、ATM台数が2万4,000台に達し、ローソンの約1万3,000台と2倍近くの開きがあります。
実際に、先行するセブン銀行は金融関連事業が本業の小売に次ぐ営業利益をあげ、イオン銀行では金融事業が全ての事業の中で最も高い営業利益を計上しています。
10月から始まるローソン銀行にとって、同じことをしても急発展は期待されず、他のと違いを生かすサービスが期待されます。
現行ローソン、セブンイレブンATMとの違いは?
ローソンでは、現在もATMは設置していますが、一部を除いてローソンATMネットワークスにより管理運営されているため、あくまで消費者の入出金の利便性を優先し、外注している形態になっています。
一方、セブン銀行は、ATM利用に関しては、提携する銀行から高い手数料を受け取って営業利益を上げているため、ローソンも銀行と提携することにより手数料利益を得ることができ、これは消費者にとっても現金の入出金の店舗数が増えるというメリットがあります。
都市銀行、ATMを減らす計画?
ただ、都市銀行が運営維持のため高いコストにATMを減らすことを公表しており、その受け皿となるのが小売業でのATMです。
ローソン銀行にとっても、セブン銀行型の事業モデルを目指すのであれば、個人の口座開設を目指すよりも、提携する銀行からの手数料を狙ったスタイルのなると考えられます。
一方、進捗は諸外国からは遅れているものの、キャッシュレス化が今後のキーワードとなるのは予測でき、クレジットカードや電子マネー、スマートフォン決済など現金に変わる決済が進むことは、セブン銀行のATM利用件数が年々減少していることでもわかります。
新たなサービスを打ち出すことができるのか、ローソン銀行の開業が注目されます。