TAPポルトガル航空、旅客機3機をリースバック契約
航空機のリース会社のゴーショーク・アビエーションは、平成30年7月18日、ポルトガルのTAPポルトガル航空に初めてエアバス社のジェット旅客機「A321neo」を1機、リースバックしたことを発表しました。
ゴーショーク・アビエーションは、TAPポルトガル航空と3機、リースバック契約を締結しており、今回は1機目の導入となりました。
ゴーショーク・アビエーションにとっては、100機目の導入となる機体となりました。
航空会社にとって自社保有機はステータスだった時代
ここ数年、航空会社では旅客機をリースバックするケースが多くなってきており、昭和50年代には自社機を保有することがステータスと考えられていた時代とは大きく変わってきています。
当時、日本航空は国営企業であり旅客機の調達には政府系金融機関が融資を行い、賃貸借リース会社が入る余地はありませんでした。
その後、投資環境が好転し世界のリース会社が急成長し、日本市場にも参入し始めました。
日本では、旅客機を投資家が購入し、12〜15年の長期リースで、期間満了後に買い取ってもらう手法でした。
ANA、アジア通貨危機で旅客機をリースバック、キャッシュフローを改善
ANA(全日空)ホールディングスは、平成9年のアジア通貨危機により旅客ニーズが減少し、6年連続で無配に陥りましたが、旅客機を購入し、投資家に売却して再び借りるリースバックを多用し、現金の流れを改善するキャッシュフローを改善してきました。
リースバックは、住居や企業の事業所、本社、工場などに限らず第三者となる投資家の存在で航空会社の旅客機にも活用されているのが現在の航空業界の主流です。
リースバック契約期間終了後には、所有権を航空会社に戻すバイバックというオプションも契約することも可能です。
リースバック、旅客機購入の資金調達の苦労がないのがメリット
リースバックは、航空会社にとっては賃借期間も設定でき、自社で高額な旅客機の購入資金を調達する苦労がないのが大きなメリットとなります。
日本の航空会社は、海外航空会社の日本への新規就航で格安な搭乗費のスカイマークなどが創設され価格競争に発展し、現在では国内外のLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)も日本の空を競い合っている状況です。
旅客機のリースバックは、今後も増えていくと考えられます。