3年で最大2,000棟のマンションに補助金
経済産業省は平成25年度よりマンションに居住する一般家庭の節電を支援する方針を示しました。企業などでは、今夏の節電対策に太陽光発電装置や蓄電池などを組み合わせ節電システムを採用していますが、戸建ての一般家庭で同様のシステムを採用する場合、まだ数百万かかるため利用しづらいのが現状と判断。同省では、戸数の多いマンションに節電支援の照準を定め、空調や照明の電力を管理するシステムの導入に最大半額を補助する方針です。
支援対象は、1棟当たり100戸前後の比較的大型のマンションとして平成25年度予算に約300億円を要求。3年間で最大2,000棟の節電支援を見込みます。
補助金プラス、節電実行のご褒美に報奨金
経済産業省は、家庭での電力消費をより促すために補助金と組み合わせ、居住者が節電に協力すれば電力会社から節電分の報奨金を支払う仕組みも整備します。翌日の昼間に電力が厳しい場合は、電力会社が節電を助言する企業を通じてマンションの管理組合に節電を要求。居住者が着実に節電を実行できれば電力会社が対価を支払い、居住者は電気料金や管理費などの軽減を受けます。一方、節電法を助言した企業へは一定の手数料を支払う仕組みとなります。
節電を助言する企業は、同省が選定し省エネのコンサルティングや、電気機器・通信関連企業の参入が見込まれています。
マンション発売戸数は好調!経産省、既存マンションにも支援策適用
不動産経済研究所が8月16日に発表した7月のマンション動向によると、首都圏の発売戸数は4,033戸と前年からは1%減少しましたが、契約率は好調の目安7割を上回り73.2%と、平成23年9月以降11ケ月連続7割を超しています。
一方、近畿圏では、2,599戸と前年同月から66.6%増と大幅に増加。契約率も80.1%と前月から8割を上回り好調を維持しています。
経済産業省では、節電システム導入の補助金、報奨金の支援策を既存のマンションも対象とする見通しですが、管理組合で居住者から同意を得る必要もあるとしています。
マンションに不向き?全戸に戸別太陽光+蓄電池導入マンションも発売
大飯原発に次ぐ原子力発電所の再稼働が不透明となり経済産業省では節電促進に支援策を示し、マンションデベロッパーはすでに節電マンションの販売が進んでいます。
震災後にはエントランスや通路などに太陽光発電と蓄電池を導入するマンションが業界に広がりましたが、今年は全戸に戸別の太陽光発電システムと蓄電池を備えたマンションなど発売されました。さらに、蓄電装置を利用し非常時でもエレベーターを10時間運行できるマンションや、EV(電気自動車)を蓄電池に共有部分に電力を供給し、EVは居住者でシェアするマンションも登場しています。震災により国民の節電意識の高まりにマンションなど省エネや耐震などの安全認識が住居購入の意識に大きく変わり始めました。
[2012.8.24更新]